響け!ユーフォニアム2(アニメ)の感想

(よっ!!はよすぎたっ!!の略)

京アニ作品である『響け! ユーフォニアム2』をさいごまで観たので備忘録がてら感想です。

もちろん前作(1)の話も合わせて語ります。

アニメの皮を被った文学作品

響け! ユーフォニアム(以下「響け!」)は原作が宝島社から出してる小説作品なだけあってアニメといえども文学的な言い回しが多かったです。

直近で覚えてるのは「冷たい氷を毛布で包んだような笑顔」

普通そんな表現を聞いたことがないので、文学的だ〜(語彙力皆無)って思いながら見てました。

響け!のアニメはしっかり美少女でシュガーコーティング(入口のハードルを下げる)をしつつも肝心な文学っぽさをしっかり出していたのがとてもよかったです。

もちろんキャラはキャラなんですが、たまにキャラではなく人間として観てしまうこともあったのがしっかりこの作品に没入できた証拠かなと思います。

響け!2は一度見始めたらページをめくるように続きが気になってしまう感じ。なぜ今まで観なかったのかと思うほどです。(響け1は劇場版公開のムーブがちょっと冷めたタイミング、2019年の6月くらいに観てました)

ピッコロベジータ展開

響け!の特徴としてたいていの人物がみんな性格悪い感じで登場します。

高坂麗奈(れいな)にしろ、中川夏紀にしろ、吉川優子にしろ、田中あすかにしろみんな最初は苦手意識を感じるような近寄りがたいキャラとして登場します。

しかし、物語が進むにつれてどんどん主人公の味方が増えていき、部としてのチームワークもよいものになっていく展開は王道ながらもとても好きな転がし方だなと思えました。

そもそも主人公の黄前久美子(おうまえくみこ)が最初の印象は最悪な感じで描かれており、最終回が近づくにつれて熱いキャラクターに移り変わっていきます。この久美子の変化が響け!ユーフォニアムのユーフォニアムらしいところだったんじゃないかと思います。

久美子もあすかもまさかあんなに好きなキャラになるとは思いもよらなかった。それでも僕は香織先輩派なのですが…。

百合ってなんなんだろうか

作中では男女間の恋愛シーンもあるにはありますが、やはり目を引くのが久美子×麗奈だったり久美子×あすかの絡みです。

どう考えても同性愛ではないのですが、この作品の魅せ方は恋愛以上のなにかを感じずにはいられません。

百合と言ってしまうと定義的には誤解ですが、本来の百合よりも百合らしいもの、それが吹奏楽部という繋がりで生まれた関係性の結果我々が観させられているものだったと思いました。

もちろんそういったシーンもあえて視聴者を飽きさせないような仕組みのひとつではあると思いますが、この不思議な感覚というのはなかなか他のアニメ作品では感じられないものであるとも感じました。

音楽作品との相性がいい

やはり音楽をテーマとした作品とアニメの相性はベストマッチだと素直に感じます。

他作品だと四月は君の嘘、坂道のアポロン、TARI TARIなどがありますが、響け!に関しても演奏シーンはがっつり画面から目の離せない緊張感がありました。

というより、大人になると大勢で集まって楽器演奏するために一生懸命練習する機会なんてほぼないので、そういう意味ではSFの部類に分類してもいいくらい別世界の話という感じがしてとても神秘性を感じました。

音とストーリーの提供バランスもよく、1クールに2回くらいある大きなステージ演奏が物語のつなぎ、転換にうまく作用していました。

演奏シーンに開放的な役割を担わせ、物語の陰鬱とした雰囲気とぶつけてちょうどよくしています。

リアルさも半端ない

主人公の学校である北宇治高校については弱小レベルであった吹奏楽部がひとりの顧問によって再建されるという話ですが、顧問次第で学校のレベルが決まるところは現実感しかないです。

団体競技はひとり優秀なプレイヤーがどうあがいても勝てなく、指導者の力量でしか左右されないですもんね。

まあ、2年生と3年生がまともに練習してこなかったところは現実味とかけ離れるかもしれませんが…。

あと、ストーリーで盛り上げていましたが、練習風景自体はとても地味なものということがアニメ越しにも伝わってきました。

そして次の揉め事が始まるのですがなければ、地味な練習風景だけ観させられて1クールもいらない作品になっていたでしょう。

その点でも物語とテーマが相互に作用しあってこその響け!ユーフォニアムでした。

さいごに

1と2合わせて2クール(26話?)ですが、観て損なしの作品でした。

さいごまで観たうえでもう一度最初から観たくなってしまいましたね。

それよりもまずは劇場版の方を見るべきなのだろう。

ただ、2(原作だと3)の終わり方が綺麗すぎたので続編があることを信じられていないところがある。