アイの歌声を聴かせて感想レビュー【ネタバレあり】

どうもです。

自分のツイッターTLでちらほらと話題になっていたアニメ映画『アイの歌声を聴かせて』を観てきました。

いつも以上に前情報なしで観ておりましたが、とてもよかったです。ハートフルでビューティフルなとてもいい感じの作品でした。

キービジュアルだけ見て「響けユーフォニアム」みたいな作品?と思ったらアイはAIのアイなんですね。しかもアイちゃんなんて登場人物はおらず「花咲くいろは」のいろはちゃん状態でした。いちおう歌もの作品です。

ここから下は本編のネタバレも含みます。

人間ドラマ青春作品よ

アイの歌声を聴かせてでいちばんよかったと感じた要素は、登場人物5人+1AIの心理的距離がだんだんと近づいていく過程だと思っています。転校生のシオンがAIだと知った5人が秘密を共有することでクロージング効果がはたらくあれです。だいぶベクトルは違ってきますが「あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない。」(あのはな)のような雰囲気を感じました。

あとはポンコツAIのシオンちゃんが空気を読まずに歌で気持ちを代弁するシーンも映画の尺の中で親密度を上げる役割に貢献していました。ポンコツAIはある意味無敵な進行役です。

オフライン環境なのにネットワークから外部データが侵入してくるとか、ぎゃふんと言わせたいという理由で会社に不法侵入するお母様とか、技術的な見解やAI倫理みたいな視点でこの作品を見ると頭が痛くなってしまうと思うので、完全なエンタメ作品として観るのがよさそうでした。人間ドラマの潤滑油としてAIと歌が使われていた印象です。

あとはどのシーンも上手く伏線になっていたのが観ていて退屈しませんでした。ゴミ箱ストレージは笑いましたが。

ベタな演出が多々ありましたが、これくらいわかりやすくてもいいなと感じるのがストレス社会の住人としての気持ちです。

映像とミュージカルと

アイの歌声を聴かせては絵の綺麗さと音の存在感も大きく働いていたと思います。おそらく同じ内容でも映像が違えば全然違う評価になっていたでしょう。それくらい視覚からも魅了される要素が多かったです。

あとは、研究都市みたいな、日本の田舎と最先端技術のアンバランスさも魅力的な舞台となっていました。ソーラーパネルで月を反射させる演出を見たときに、この演出のために大量のソーラーパネルを設置できる田舎を選んだんだーと感動を覚えました。

ミュージカルシーンも雰囲気に当てられてしまい、特にゴッちゃんとアヤが仲直りするシーンで流れる「Umbrella」でまさかの涙。柔道シーンの「Lead Your Partner」では柔道とダンスを掛けてるところにクスッとしながらもすごい勢いでのめり込めました。

というか、AIにあんな表情させるの、反則

あんな表情↓

歌詞の作詞が松井洋平さんなのもエンドロールで驚きでした。

【ミリオンライブ】松井洋平さんの歌詞は天才【作詞楽曲一覧】

2019.02.20

フィーリングで決めろ

この作品、話の内容だけだとどこがどう面白いかというのを説明ができなくて、雰囲気に当てられていいねボタンを連打するようなすがすがしい作品となっていました。

とにかくひとによっては今年の1番になりうるポテンシャルを秘めている作品なので、実際に観て、感じて、判断してほしいです。

フィーリングで決めろ!