公開当初から周りですごく盛り上がってた映画「ジョーカー(JOKER)」を観てきました。
素直におもしろかったとは言いにくい作品でしたが、スクリーンからはずっと目が離せませんでした。
この作品を観たあと、コーヒーに含まれるカフェインはストレス度合いによって興奮作用かリラックス作用か効果が変わるという話をツイッターで見たのを思い出しました。
カフェインとストレスの関連性の真偽はともかく、今日観てきた映画「JOKER」にも観たひとの精神状態で感じ方が変わる作品であると感じました。
あらすじ
ここからネタバレが入りますのでご容赦を。
映画「JOKER」のあらすじはWikipediaにばっちり書かれていたので詳しく知りたいひとはそちらをどうぞ。
こちらでざっくりとした説明をすると、
市政が堕ちるところまで落ちたゴッサムシティという街で脳に障害を持った主人公アーサーは腐った市民にボコボコにされる毎日を過ごす。
そんな主人公がある日キレて拳銃で富裕層を殺したら裏でヒーロー的な存在になったのでさらに堕ちるところまで落ちたモンスター誕生の物語。といったところです。
それにしてもどれだけ市政が荒廃してたらあんな暴動になるんだろ…と似たような状況になっている香港を思い出していました。
また、アメリカが舞台でも「金持ちは死ねー」みたいなことを言われてて日本みたいだなーとも思いました。
全編を通して笑えない
いままで「ジョーカー」はトランプのワイルドカードや切り札的な認識しかしてませんでしたが、よく考えれば道化師(ジョークをするひと)という意味があったんですね。
主人公のアーサーもコメディアンを夢見てジョークのネタをせっせと探しておりました。
ただ、笑わせるために存在する道化師のはずが、映画としては全編を通して笑える箇所が皆無という素晴らしい作品でした。
主人公は精神障害で笑いまくるシーンが多かったのに、観客はまったく笑えないという笑える話。
唯一笑顔になれたのはアーサー役ホアキン・フェニックスがやたらと見せるダンス。
なにやら太極拳みたいなゆったりとした動きで、ストレスを抱えまくった会社員がトイレの個室とかで踊ってそうな振り付けだなと思って見てました。
ダンスシーンが意外に多かったのでこの映画はミュージカル映画だったのかもしれません。
グロシーンでいえば、R15指定の入った作品でしたがそこまでグロなシーンはなかったかと思いました。拳銃で頭を撃ち抜かれるのと刃物で顔面をぶっ刺されるくらい。
妄想癖がストーリーを難化させる
主人公の持つ病気は発作で喘息みたいに笑いが止まらなくなる症状に加えて妄想癖がありました。
アメリカ映画でよく観る、急に隣人の女性といい関係になりだして人生が好転するみたいなシーンは意味がわからないと思いながら当作品にもあった隣人女性とイチャイチャしだすシーンを観ていたのですが、
この隣人女性との関係が実は主人公の妄想だったということに追加でびっくりしました。勝手に上げられて勝手に落とされた気分です。
あと、物語の鍵になった拳銃、
同僚が護身用だと主人公に拳銃を渡してくれたものでしたが、同僚が主人公に優しくする動機が全然わかりませんでした。
7月から放映されている「天気の子」でゴミ箱から拳銃が出てくるよりも意味がわからなかったです。
ただ、主人公が妄想癖だったこと・同僚は拳銃について知らないそぶりをしていたこと・雇い主から拳銃を買っただろと言われていたことから、きっと拳銃を同僚からもらったというのもアーサーの妄想だったと考えると完全に主人公1人が狂気でやべー奴だと思いました。
社会的不満で効果が変わる
自分はネットで盛り上がってたらとにかく観に行っちゃうミーハークソやろうなのですが、
ネットでのジョーカーの感想は、
単純におもしろかったというものと、あれは鬱になる。ひとによっては心を痛めるので観ないほうがいい(映画代でちょっと豪華なランチを頼んだほうが幸せだ)という意見がありました。
確かに観る人によって感じ方に振れ幅がある映画だと思いました。
中にはジョーカーを観て気分がスカッとしたという感想をするひともいました。一種のリラックス作用というやつでしょうか(?)
ここで上の見出しに書いたカフェインの話が出てきます。
カフェインがストレスによって興奮効果になるかリラックス効果になるかのように、「ジョーカー」という映画は社会的不満の度合いによって興奮効果で済むかリラックス効果まで出るようになるか変わってくるのだと思いました。(多少強引な帰結ですが)
なので、市長が死んでもしかたないよねハハハって感じるひとは実社会でもなにかと不満を多く持っているひと。逆に、ぶっ飛んだ世界の話(フィクション的)だなーと感じたひとは社会に対してあまり不満がないということでしょう。
実はバットマンを知らない
話題になってる作品は前情報なしで観に行っちゃうミーハークソやろうの私なので、ジョーカーがバットマンの敵だということを知らないで映画館を出てきました。
作中のテレビはモノクロだし、携帯電話の類は一切出てこない。なんでこんな時代設定の作品を作ったのだろうと疑問を持ちながら観ていましたが、バットマンの世界なら納得です(あきれ顔)
あと、物語の最後はジョーカーが自分の拳銃で死ぬのかなとか思っていました。なぜならバットマンのストーリーを知らないから。
そんなこんなで前知識皆無の人間が観てもすごい映画だと思いましたので今度はジョーカーの勇姿(?)を確認するためにダークナイトを観ようかなと思います。
あとAmazonプライムビデオに登録しているなら、映画知識に乏しい自分からは「メメント」をおすすめします。
こちらも障害持ち(直近の記憶が消える障害)で狂ってる男が主人公の作品です。
さいごに
結論:すごい映画だった。
これは話題になりますね。