アイドルマスターミリオンライブのコミックス作品で『Blooming Clover(ブルーミングクローバー)』というタイトルがあります。
漫画担当は稲山覚也(イナヤマカクヤ)さん。掲載雑誌は電撃マオウ。ミリオンライブのコミカライズで言えば2作目にあたる作品です。
1作目はゲッサン版(完結済み全5巻)、3作目がBrand New Song(Febriで連載中)です。
Blooming Cloverは人気も上々のようで、2019年6月には5巻が発売され、2020年の3月には6巻が発売される予定です。
ただ、そんなミリオンBCですがどうも自分には肌に合わないように感じております。
毎巻の限定版に楽曲のCDが付属するのでなんとなく購入をしているのですが、作品としては特にワクワクしてるでもなく、読後に何かこみ上げてくることもございません。
ただ、基本的に自分は作品の批判記事は書かないようにしています。
というのも誰かに嫌な思いをさせることがあるし、どこかのタイミングで手のひらを返したくなるときに自分の首を絞めることになるからです。
けれど、やっぱり何か書いておきたい。
そんな気持ちが勝ってしまったので改めて文字にしておこうと思いました。
そして今回記事を書くにあたって単行本5巻までを読み返しました。
下に続きます。
※本記事はネガティブな感想も含みます。ご了承ください。
BCが苦手な理由
自分がBlooming Cloverを好きになれないと思っている理由としては
- 絵にむずがゆさを感じる
- 話がなかなか進まない
- 未登場キャラが登場する
のようなところが挙げられます。
表現が苦手
公式サイトで試し読みができるので、1話あたりを読んでもらうとなんとなくわかると思うのですが、
オーバーな表現方法や違和感のある表情をするコマがあり、読んでてムズムズすることがありました。
あと緊迫感が全体的にふわっとしてる感じがしていました。
しかし、再度読み進めていくうちに気にならなくなってきました。
目が慣れたというのもあるかと思いますが、話数が進むうちに違和感を感じるコマが少なくなったので作品を通して改善されているのかもしれません。
ただ、海美が終始とびはねてる表現については相変わらず脚色味を感じてます。(ピョンピョン)
テンポ感が悪い
コミックスが発売されるたびに読み進めている身としては「今なにやってるんだっけ?」と思って振り返ると2巻の7話で始まった新ユニットのお披露目企画が5巻の18話までやってて驚きでした。
新ユニットは一気に3組が選ばれたのでユニット内の紹介がボリューミーになりますし、物語のメインとなるユニット「Clover」にいたってはメンバーが4人もいるため個々の掘り下げでずいぶんな時間がかかっていました。
とにもかくにもすごく丁寧にメンバーの成長を描いている作品だということです。
ユニット外アイドルとの接触に関しても、Cloverのメンバーに影響を与えると同時にCloverのメンバーから影響を受けていくという相乗効果を見せるシーンがあります。
そうやって色んなアイドルをかいつまんで紹介してたり、Cloverのメンバーの成長を1歩1歩伝えているから全然話が進まないんですよね。
そんなミリオンBCの中で好きなエピソードは4巻で星梨花が悩んでいるときに松田亜利沙が励ますシーン。
「私はユニットに必要なのか?」という問いに対して、「小さなひかりでもそこにいることに意味はある」とペンライトを例に答えているのはとても個性的で松田亜利沙というアイドルを上手く表現していると感じました。
Cloverはメインのかなしほに加えてお姉さん役として海美がいてさらに星梨花がいるという4人ユニットですが、星梨花は数合わせなのではないか?という読者(自分)の気持ちに対しても答えをくれたところがとてもよかったです。
そうやって4人が組み合わさってクローバーが完成していく過程がこの作品の醍醐味なのかもしれないですね。
公式を気取ってる
志保の弟のりっくん(北沢陸)や海美の姉、美奈子の友達など、ゲームでは名前だけ出ていたキャラが姿を表すことが多々あります。(最新の話だと星梨花パパも登場してるらしいですね)
もうね、公式のつもりか?って言いたくなるわけですよ。(公式だけど)
とはいえ、ゲームでそれらのキャラを登場させる機会を用意するとは思えないので出ないよりは出てくれる方がうれしいですね。
ただ、やっぱりコミカライズで初めて登場するというのは、公式のつもりか?って問いただしたくなる。(公式だけど)
確かに、北沢弟のりっくんは志保のエピソードを掘り下げるにはなくてはならないキーパーソンだし、実際にりっくんのおかげで北沢志保というキャラのバックボーンはだいぶ掘り下がってます。あと5巻のりっくん視点で読ませる手法は初めてのアイドルライブへの衝撃と姉のアイドル姿への驚きを伝えるのにもすごくよかったです。
それでも工夫次第では弟を登場させなくてもCloverの北沢志保を上手く表現することはできたのでは?と思ってしまうので、やはり公式のつもりか?という気持ちが残ります。(公式なんだけど)
批評まとめ
というわけで、Blooming Cloverを読み返したら、
絵が苦手だったというのは単なる慣れの問題&改善されていて、テンポが悪いと感じた分しっかりとキャラの成長を描いており、公式を気取ってるのはりっくんがかわいいのでまあいいかという結果になりました。
Blooming Clover、思ってたよりもずっといい作品だったな…。
というわけで、これなら自分も本心でお勧めすることはできそうです。
おすすめです。5巻まで一気に読むのがおすすめです。
できれば5巻はオリジナル楽曲『Clover Days』が付いてくる限定版をぜひ購入してほしいのですが高騰しておりますね…。
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信号機トリオについて
さいごにこれだけはしっかりと提起しておきたいなと思います。
春日未来、最上静香、伊吹翼の3人のユニットについて。
この3人はいわゆる信号機キャラ(いちおうのメインキャラ的な立ち位置)であり、ゲッサン版でもメインキャラとして登場しておりました。
その3人のユニットがBlooming Cloverにおいてはやや軽い扱われ方をされているような気がしてなりません。
(補足)”軽い扱われ方”という言葉をなにやら違う意味で捉えられているように感じたので追記します。
自分がゲッサン版に固執しているのは否定しませんが、3人に「もっと焦点を当てろ」だとか「登場頻度を増やしてほしい」という話ではありません。それこそゲッサン版でメインだったのでBCでは登場回数が0でもかまわないとさえ思っています。
それよりもゲッサン版で結局最後まで解決しなかった下記の課題に対して、BC版では話の都合上いつのまにか解決されている状況があり、例えパラレルの話であろうと自分が没入し頭を悩ませた問題がそんな簡単に解決されてしまうのか…というあっけなさを感じました。つまり”ノリの軽さ”が気になったということです。
ユニット名
ゲッサン版では結局付けられることのなかった3人のユニット名。
それゆえに後付けで公表されるとしたらどんなユニット名になるのだろう?と期待やらハードルやらが自分の中では日々膨らんでいました。
ユニット名を発表するにしても、満を持しての発表になるだろう。そんな気持ちがありました。
が、ミリオンBCであっけなく決定されてしまう。
うーん、さらっとしすぎている…。
あとユニット名にも不満が、
信号機のユニットが「シグナル」って本気で言ってるんですか…?
ハードルが上がっていただけにユニット名のシンプルさにドン引きをしてしまいました。
SMAP(Sports Music Assemble People)みたいになんかの単語の頭文字を組み合わせてSIGNALですみたいな理由があれば納得は可能ですが、そうでなければうーんと言う感じ…。
まだマンガだけの設定であれば気にしないのですが、公式を気取っている(公式だけど)作品なだけに今後もこのユニット名で統一されそうなのがつらい。
いいかい、信号機ユニットの名前は「いちごヨーグルトぽむぽむ」なんだよ。
静香の家庭事情
Blooming Cloverでは静香はアイドル活動について父親と和解したそうだ。(期間限定ではあるが)
未来が強引に説得したからだそうだ。そっかー…。
可奈の行動が引き金になって未来→静香、で、結果的に志保に影響を与えたということなので無関係とは言えないエピソードではあるが、ゲッサン版で真夏の夜にクーラーを切った部屋で布団にこもりながらノートPCの画面と戦っていた静香を思い出すとそっかー…。としか言えなくなるもの。
これについては可奈ルートに入ったための改変ということでマンガオリジナル設定なのでたいしたことはありません…よ?
『君との明日を願うから』が生まれた作品で残された課題が「明日はひとつじゃない」という歌詞のある作品で解決してしまったのはある意味おもしろい。
さいごに
というわけで、ミリオンライブのコミックスは各作品がそれぞれのスタートやゴールを見据えて進んでおります。ということでいいのかな。
そこは割り切るしかないのだよな…ってのはわかりますがね。
ともかくゲッサン版とBrand New Songもおもしろいので読んでほしいです。