【書評】給料が上がらないと嘆く前に読むべき1冊の本

給料が不満だ

2018年の春頃まで自分は転職活動をしていました。(結果失敗しましたが)

理由は給料に不満を持ってたためです。こんな手取りじゃさすがにやっていけない、と。

そのときはせめてあと3万円月給が多い会社に行きたいなーとか思ってました。(結果失敗…)(欲を言えば500兆円欲しい)

そんなときに「人生格差はこれで決まる 働き方の損益分岐点」という本を読みました。

 

この本は雇われ労働者の給料の仕組みについて書かれており、今まで自分が想像していた解釈が崩壊したので一度読んでみることをおすすめします。

自分はこの本を読んだ結果、「給料のために転職するのは違うな」と思うようになりました。

サラリーマンの給料とは

本の内容をかいつまんで説明すると、サラリーマンの給料は次の日にも仕事をしてもらうためのメンテナンス代ということでした。

つまり、サラリーマンは毎日働くのに必要な金額しかもらえていないということです。

課長や部長のような管理職になれば収入は上がるじゃないか!と思うかもしれませんが、その給料は管理職であることによるストレスの発散や人付き合いのための金額が増えたというだけのことです。

実際に管理職のひとはゴルフや冠婚葬祭で以前よりもお金の支出が多くなったとぼやいていました。

また、生産力の高いひとが生産力の低い同僚とさほど変わらない給料なのもメンテナンス費として分配されているからです。

レンタカーの話

賃金が一定という話で、この本の中にあるレンタカーの例えが自分的にわかりやすい例えだと思ったので紹介します。

みなさんはトラックを1日間使うことができます。何件の仕事を請けるか、またいくらの仕事を請けるかは、みなさんの自由です。そして、その仕事から得られた利益は当然みなさんのものになります。
ここで、Aレンタカー(※契約相手)が「たくさん利益が出たのなら、分け前をよこせ」と言ってきたら、どうでしょうか?

分け前は渡しませんよね?

サラリーマンがAレンタカーで、レンタカーのお客さんは会社です。

会社はサラリーマンから1日(8時間)でこの金額支払うという契約で労働力をレンタルしています。その場合、労働力をレンタルする会社側が契約時間内にいくら儲けを出したって労働者の利益になりませんよね?

釣り竿レンタルで再度例える

レンタカーだとガソリン費の考慮がややこしいので、釣り竿のレンタルで例えてみます。

サラリーマンは釣り竿を貸すお店で、1日(8時間)800円で釣り竿をお客(会社)に貸します。

ただし、そのお客が1日で50匹釣っても、5匹しか釣れなくてももらえる金額は800円です。それに800円という価格には釣り竿を翌日も使えるようにするメンテナンス代も含まれています。

ちなみに、お客(会社)が全然釣れないから釣り竿をあと1時間だけ貸して!って言ったときに、しょうがないですねって1時間延長料金として150円をもらうのが残業代の仕組みです。

もし800円の釣り竿よりもいい釣り竿(ここではすごいつりざおとします)が貸し出されていたとします。すごいつりざおは良質なグリップや軽量素材のフレームを使っており、多少釣りやすさも上がります。

しかし、だからと言って普通の釣り竿よりも絶対に多く魚が釣れるとは限りません。それなのにレンタル代は1日(8時間)1600円という高額な設定です。

実はこれが管理職に上がるとかキャリアを積むということで、実績が保証されるわけではないですが、形成するパーツの素材がよくなることでメンテナンス費用も同時に上がるため、結果的に給料が上がります。

つまり、年季だとか知恵だとかとともに増えるプレッシャーやストレスのメンテナンス代の繰り上げです。なので、すごいつりざおは普通の釣り竿よりも高いレンタル料を得ることができますが、その分メンテナンス費としての支出も増えるということです。

給料を上げることは大切?

釣り竿レンタルであれば、貸し出す釣り竿の数を増やした分だけ利益がでますが、サラリーマンの労働力はひとつです。つまり、釣り竿を1本しか貸し出せない状態です。

普通の釣り竿を貸すかすごいつりざおを貸すかの違いはありますが、メンテナンス費を考えたら、給料が上がっても上がった分だけお金が貯まることはないのです。

なので、お金を貯めるためには、別の考え方をする必要があります。

 

それは、メンテナンス費を抑えることです。

 

釣り竿の例えで言えば、一般的には700円がメンテナンスにかかる値段だとすれば、400円でメンテナンスをしてくれる業者に頼むだとか、メンテナンスの手間が少なくて済む素材に変更して600円のメンテナンス費にすれば浮いた分はそのまま利益になります。

人間の場合はストレスのケアや健康の維持などがメンテナンス費として使われるため、ストレスの少ない職場に移動するだとか、体を動かす仕事に就くだとかでメンテナンス費(ストレス発散の酒代、トレーニングジム費など)を抑えることができ、その分お金をストックすることができます。

給料を上げることがほんとに必要なのか、この本を読んで今一度考えてみることをおすすめします。